一世を風靡したDedacciai社のチューブ群、アルミ全盛期にはよく目にしました。
創業期に開発した熱処理スチールチューブ、ZEROは、当時ColumbusやTangeでも発表した熱処理チューブと並び注目のチューブセットでした。その後軽量スチールチューブEOM16.5となりましたが、アルミ全盛を過ぎ、カーボン主流になると静かに消えていきました。
25周年記念モデルとして再び登場したZEROでしたが、スチールの復権は叶わず再び消え行くチューブセットとなってしまいました。
手持ちの最後となったY様のZEROセット。
あとはデットストックを探すしかなくなりました。
良いチューブだけに残念です。横道にそれました。
休日のサイクリングを楽しんでいらっしゃるY様、細身だけど鍛錬された体躯で、本気で取り組めば直ぐに速くなりそうな方です。
Y様、L社のカーボンにお乗りでした。
一緒に走ると、腕の長いY様には明らかにハンドルが高くてダンシングし難い感じでした。
その辺を調整して設計、制作しました。
フォークもスチールで、細かな振動は伝わりにくいブレードを使用しています。
塗装は、パウダーコーティングを選択いただき、カドワキコーティングさんに塗っていただきました。
Saecoのカラーご希望でしたがパウダーコーティングは、調色ができないのでご希望の色に近い色となっています。
Y様から写真とインプレをいただきました。
「とても素直で初めて乗った時でも、すでに何年も乗ってるような感じで
体に馴染んでいました。
クロモリの車重を感じさせないほど、平地も坂もよく進んでくれます。
特に、坂道でのダンシングでは以前のバイクと比べてポジションがよくなっていて、
フレームの反発を感じてリズムが取りやすく、より楽に進んでくれます。」
いつもドキドキするお客様のインプレ、ホッとしました。
Y様ありがとうございます。